『ナットあれこれ』 もっと自由に大きな音で!OZIMAS Guitar Atelierのブログ    

スポンサーサイト

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。

ナットあれこれ

今日はナットの話です。
ボルトとナットの六角形のナットではなく、ギターやベースのヘッド側にある弦が常時接しているあの部分の話です。

そもそも素材自体にも色々あります。

牛骨 象牙 TASQ ミカータ カーボン デルリン 真鍮 木材系 プラスチック系 等々…

しかし今日話題にしたいのは素材とはちょっと違う話です。

『ナットのスタイルあれこれ』について
そもそもナットは何のためについているのか。
ブリッジサドルと同じく、弦長の起点としての役目が第一義です。
同時に弦を下から横から支えて保持する役目も持っています。

まず最初に、角度付きヘッドにつけられたナット

Gibson等
ほとんどのアコギやバイオリン属の楽器に採用されるスタイルです。
指板の端がスケール(弦長)の起点となっており、その面にピッタリと接着され貼りついた状態です。
赤い点線部分は弦長の起点を表しています。赤いラインからフレット側の弦が振動する事で音を出す事になるわけです。
最も多く用いられるスタイルかもしれません。
指板材とネック材の段差を利用した設置方法という事になりそうです。
チューニングに関して、弦の溝の塩梅と素材の摩擦の違いの影響を大きく受けます。

それに対してFender系
Fender系ナット
先述のナットと違い指板面に溝が掘ってありそこにピシッとはまるスタイル。(接着はされています)

ナットの機能としては基本的に同じです。
このスタイルは先ほどの角度付きと異なり、Fender等のヘッドに角度の付いていない段付きヘッドに多く用いられています。
しかし、段付きヘッドにとって必ずしも必然性のあるスタイルではありません。
段付きヘッドでも指板との段差を設けてナットをつける事は問題なく可能です。
このスタイルはFenderのギターがメイプル1ピースネックでスタートした事に由来するものではないかと思います
(レオ・フェンダーのデザインしたギターには「指板」というパーツが存在せず、1枚のネック材のみで構成されていました。)
チューニングに関して、前出の角度付きのナットと同様に溝の状態と素材の影響を免れません。

ロックナット
ロックナット
このナットはネック材にネジ止めされます。
見た目はゴツめですが前出の2つと弦の位置と弦長の支点となる役割は同じです。
違うのは、弦を下と横からだけでなく、上から押さえつける事によってナット上で弦がスライドする事を完全に止める役割を持っている事です。

通常、ナット上ではチョーキングやアーミングの際に弦が少なからず引っ張られスライドします。
チョーキング終了時には弦はまた元の位置に戻る事が正確なチューニングを維持する条件ですが、どうしても通常のナットでは大なり小なり摩擦という物が生じます。
そのため完全に理想通りの状態を作るのは難しいのが現実です。
そこで、いっそのこと初めからスライド量をゼロにして、チューニングのズレを生じる要素を排除しようという発想のナットです。
このナットはフロイドローズのように、ブリッジ側にもロック式の物を使う事で真価を発揮します。
イラストでは段付きヘッドに取り付けてありますが、角度付きでも用いられます。
しかし、このナットはあらかじめ決まったデザインと寸法を持っているため、牛骨素材などのようにナットの溝を切り足して弦高を柔軟に調節する事はできません。
ナットの高さをあらかじめ計算に入れた設計をしないと適正な弦高を維持できないのでやっつけ仕事では使い物になりません。
細かな弦高調整は台座の下に薄い金属のシムを挟むことで調整します。

ローラーナット
LSRローラーナット
非常に解かりにくいですが…イラストはLSRローラーナットをイメージしたつもりです…
ちょっと前まではウィルキンソン等からもローラーナットが出ていましたが最近はどこへ行ってしまったのか…
このナットはロックナットとは逆で、ナット上での摩擦を限りなくゼロにしたいという発想の物です。
弦振動の起点となる支点にころころと転がるローラー構造を持ち、弦のスライドをなめらかに支持します。
FenderのJefBeckモデルにも使われています。

このナットの特徴は、弦の支点がユニット本体の前っツラとは違い。内側に近いローラー部分にある点です。
そのためナット前端から1フレットまでの距離がやや短く見えます。
誤って前っツラを基準に設置すると残念な音程のギターになってしまうため注意。普通のナットから後付けで加工しようとすると精度の高い加工が必要となります。
ロックナットと同様、あらかじめ寸法が決まっていますのでその点も綿密に計算が欲しいです。

肝心のチューニングは確かに狂いにくいようです。

ゼロフレット+ナット
0フレットとナット
グレッチ等には今も採用されているようですが、全体としては希少種まっしぐら?です。
この場合、ナットは弦の起点としての役割を持っておらず、弦の位置を決める事を第一義にしています。
弦の支点は赤いライン上に打たれた0フレットが担っており、ナットは弦高に関与していません。
これはこれで理にかなった構造で、解放弦でも弦振動の起点をフレットが担うため押弦時と音質差が無い事、
接点が小さい為摩擦が少なく、比較的チューニングの狂いが生じにくい事、
ナット溝の調整ではなく、フレット擦り合わせで適正に作業が行われれば、ローポジションでの弦高を低く維持しやすい事などがあります。
反面、ゼロフレットは常に弦に接しているため摩耗しやすく、普通のナットやフレットよりも頻繁なケアが必要な点は注意が必要かと。
(私は割と好きなんですが…)
ナイロン弦などの摩耗が少ない弦を使うクラシックギターなどには有利。

さら~っとナットの色々について触れてみました。

たかがナットされどナットです。
しかし、弦楽器には必ず必要な弦振動の支点になる重要なパーツである事は確かです。
チューニングにも関わるため昔から多くの人の頭を悩ませて工夫してきたのではと思います。

スポンサーサイト

テーマ : 楽器
ジャンル : 音楽

コメントの投稿

非公開コメント

最新記事
カテゴリ
プロフィール

ozimas

Author:ozimas
愛知県一宮市の木曽川近くにあるギター工房。
ギター・ベースの製作・修理をしてます。
このブログはギター・ベースに関した役に立つ話題や役に立たない話題を中心に思いつくままに書いていこうと思います。(不定期)

ご意見、ご質問、お問い合わせ等は

ozimasguitar@gmail.com

まで。



≪お断り≫
当ブログ掲載の記事・画像・各種ファイルの無断転載はご遠慮願います。
必要な場合、当方までご一報願います。
公序良俗に反しない限り前向きに対応させていただきます。




↑OZIMAS GUITAR ATELIERの ホームページはこちらから!

過去の記事一覧

全ての記事を表示する

FC2カウンター
楽天市場 広告
この欄は広告です
【送料無料】ベース用ABS製ハードケース BA-150

【送料無料】ベース用ABS製ハードケース BA-150
価格:10,240円(税込、送料込)

最新コメント
スポンサードリンク
AMAZON ギター・ベース関連書籍
AMAZON ギター・ベース 洋書
月別アーカイブ
上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。