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双子のムスタング

ショートスケールとか、ロングスケールとか、ミディアムスケールとか…
色々ありますが、ロングスケール=○○mmという決まった規格があるわけではありません。
各メーカーが設計したスケール(弦長)を勝手にそう呼んでいるだけと思った方が良いと思います。

もっとも、事実上ロングスケールと言えばFenderのストラトキャスターをはじめとした25.5”(647.7mm)の弦長を持ったギターを指す事がほとんどであろうとは思います。
日本製のギターはロングスケールと言ってもミリで計算した方が馴染みやすいので25.5”の近似値である648mmで設計されている事が多いようです。(ほぼ同一とみてよいのではないかと思います。)
対して、ショートスケールといえばムスタングやジャガーを思い浮かべる人も多いかもしれません。

Fender Mustangは1960年代に生産を開始されたモデルです。
そのまま80年代前半まで生産されたのですが、60年代にはムスタングは2種類作られていました

1つは、ショートスケールの24”(609.6mm)のスケールを持ったモデルです。
22フレットを持ったお馴染みのムスタングです。
ムスタングと言えばこれを想像する人が多いでしょう。

しかしもうひとつさらに短い22.5”(571.5mm)というスケールを持ったムスタングも存在します。
こちらはフレットも1本少ない21フレット仕様でした。
21フレットのムスタング
21フレット仕様のムスタングが生産されたのは64~69年までと短く、生産本数自体が22フレットの物よりも少なかったようです。
そのため22フレットのムスタングよりも珍しいモデルになります。

そもそもはショートスケールよりも短い22.5”のギターはムスタングよりも先に56年ごろに1ピックアップのMusicmaster(ミュージックマスター)と2ピックアップのDuo-Sonic(デュオソニック)というギターに採用されていました
双方とも64年ごろにはムスタングの生産開始と合わせて24”のネックを持ったモデルも生産されるようになったようです。

今日は24”のムスタングと22.5”のムスタングを比較してみたいと思います。
22fと21f左が一般的(?)なムスタング。右がスケールの短いムスタングです。
並べてみると結構大きさが違うのが分かると思います。
この両者の特徴は、『ボディーは同一の設計でありネックだけが違う』という点です。

通常、スケールの異なるギターのネックを差し替えるとブリッジの位置ないしネックポケットの位置に矛盾が生じて解放弦以外ではチューニングが合わなくなります。

しかし、この場合あらかじめ同一のボディーに組み込めるようにネック側を上手く設計してあるため、チューニングが合わないなんて事はありません。
ブリッジからのフレットの距離を逆算し、ネックエンドの長さで調整された設計にする事でつじつまを合わせています。
ネックエンドを短くすると22フレットは打てませんので21フレット仕様と言う事になります。
(あるいは生産された順番からいえば短いネックが先にあったはずですので、ギブソンでは標準的だった22フレットに対抗して62年に生産が始まったジャガーに22フレットを打てるようにネックをスケールごと長くしたのか…。)
ともかく、この事で同一ボディの同一ネックポケットに異なる長さのネックを組む事を可能にしています。

細かい数字を比較すると、スケール全長は22f仕様は609.6mmであるのに対し21fは571.5mm。
その差は38.1mmです。
24”のネックのナット~1フレットまでの距離が34.215mmですので、1フレットにカポをするよりももう少し短い事になります。
スケールエンドで比較
ストラト等の25.5”のギターと比較して、22.5”のギターを指して3/4(スリークオーター)ギターという表現をする事があるようですが、どう見ても3/4(75%)ではありません。
実際に比較すると88%余りの比になりますのであくまで例えとしての表現のようです。

数字を見ると25.5”(ロングスケール)のギターと比べて76.2mmの差がある事になります。
25.5”のナット~2フレットまでの距離が70.67mmですので、2フレット~スケールエンドまでよりも5mm程短い事になります。

逆向きからの数字を見ると…
最終フレットと理論上のスケールエンド(ブリッジ側)の距離(間隔)
24”ネックの22フレットでは171.06mm
22.5”ネックの21フレットでは169.91mm
その差は1.15mmとなっています。

この値は明らかな違いではありますが、考えようによっては僅かな物となります。
最終フレットから指板エンドまでの距離を同寸法で設計したとしても、
ブリッジのコマを部分での違いは24”のネックを付けた場合で理論上1.15mm後ろになるだけです。

これはチューンオーマチック等に比べて比較的オクターブ調整の可変幅が大きく取れるFender系のブリッジならオクターブ調整で十分にフォローできる値かもしれません。

この数字が、同一のボディに異なるスケール設計のネックを組む事ができる重要な要素となります。


…ちょっとだけ続く
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