『ザグリのシールド処理』 もっと自由に大きな音で!OZIMAS Guitar Atelierのブログ    
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ザグリのシールド処理

前回の記事ではピックガードのシールドについて触れましたが、今回はボディ側(ザグリ側)について考えたいと思います。

ピックガードのシールドの事を傘に例えましたが、ノイズは上から(ギター正面から)降ってくるとは限りません。
横や後ろからも容赦なく降り注ぎます。

そこでザグリの側もシールドできれば、回路は傘ではなく合羽を着たように、色んな方向からのノイズを遮断できる事になります。
導電塗料

最も多くギターに採用されている方法は、ザグリに導電塗料を塗ってシールドする方法でしょうか。
導電塗料
この導電塗料という物は一口に言えば「電気を通す性質のある塗料」です。
塗られた表面が電気を通すため、アルミ箔でシールドした様な機能を期待できます。
ギターのピックガードを外したらボディと違う色の塗料が塗られていてびっくりした事がある人も多いかもしれません。
よく見るのは黒い色をした導電塗料でしょうか。
導電塗料は素材に銅を使った物やカーボンの物・銀を含んだ物などあり、水溶性の物、有機溶剤で溶かした物等それぞれ電気的特性や塗料としての特性が異なるため必要に応じて各分野に使われるようです。(ギター以外でも)

また、導電塗料はある程度厚く塗らないとシールドとして力不足なようです。
なんとなく塗ってあるだけの導電塗料は邪魔くさいだけです。
アルミ箔などと違い、形の複雑なところにも塗れるためザグリの中をシールドするのには向いているかもしれません。
しかし、注意する事が。

これまたグラウンドに繋がっていないと無意味です。

例えば…レスポールのピックアップザグリ2つとコントロールザグリの内部に導電塗料を塗ったとします。
レスポールの各ザグリは配線穴でこそ繋がっていますが、そのままでは電気的に独立している事になります。
どれほどキチンと塗られていても最終的にグラウンドに繋がっていなければ無能力です。
各ザグリにラグを打ちこみ(導電塗料に直接ハンダ付けする事は出来ないので)、シールドを繋ぐための配線を増やして繋げる必要があります。

また、例えばストラトキャスターのザグリに導電塗料を塗った場合、それだけではどこも回路と接していませんので、これまた塗料の無駄です。
ラグを使ってポットの背中あるいはジャックのコールド側端子に繋ぐか、塗られた導電塗料とピックガード裏のアルミ箔とが常時接触するように工夫して塗るかのいずれかの処置が必要です。
他にもボディ裏から掘られたコントロールザグリの裏蓋にアルミ箔が貼ってある事があります。
そのアルミ箔も、ザグリの淵の導電塗料に触れていなければ意味ありませんので注意が必要です。
(パネルのアルミ箔だけでザグリに導電塗料が塗られていないものもあるようですが)

私は導電塗料とアルミ箔の接触に頼るのはあまりお勧めできません。
可能な場合基本的にはラグなどで確実に繋いでおくのが望ましいと思います。


導電塗料のほかにもボディ側をシールドする方法は色々です。
バスダブ型シールドプレート
画像は古いジャズマスターのザグリです。
金色のシールドプレートがザグリの形に成形されはめ込まれています。
バスダブ型シールドプレート等と呼ばれたりしているようです。
これはコントロール部分で1枚
ピックアップ部で2枚
プリセットコントロール部で1枚
合計4枚のプレートでできており、それぞれかなりガッチリとハンダ付けされて繋がっています。
そしてプレート自体にもトグルスイッチのグラウンドから共有する形で配線されています。
これはかなり本気でシールドしようとしていたようです。

一方、ムスタングはよく解からない部分があります。
ムスタングのザグリ
ジャズマスターの物とは違い立体的ではありませんが、ザグリの底にシールド用のプレートが設置されています。もちろん、各プレートは丁寧に繋がっています。
ピックアップの下、セレクタースイッチの下、コントロールザグリの下…
コントロールザグリは金属製のコントロールプレートもあるので上下をシールドで挟まれた形になります。
しかし、ピックガード側にはアルミも何も貼られていません。
ムスタングが生産され始めた頃ストラトにも大きなシールドプレートを採用するようになったのですが、ムスタングにはピックガード側のシールドが採用されなかったのはちょっと謎です。(1965年以降生産されたエレクトリック12にはピックガード裏にアルミ箔あり)

ミドルクラスとしての位置づけのためコスト削減であったとしてもつじつまが合いません。
なぜならストラトスタイルのシールドプレートよりもムスタングのザグリ底部にプレートを取り付ける作業の方がよほど手間のかかる事のように思うので…


シールドについての考え方として見逃せないのが
実は音質に影響があるという点です。
大きな面積のシールドが回路の近くにあるとそこに静電容量(キャパシタンス)という物が生じ、音声信号に影響を与えるようです。
具体的には、周波数の高い信号(高音域)の減少が起こるようです。
「ノイズが!ノイズが…!」と言って闇雲にシールド処理をするとギターの従来のサウンドに変化が起こる可能性もある事は頭に入れておいた方がいいと思います。
とはいえノイズに悩まされたままでは音質も何もないかもしれません。
もちろん「ノイズもギターのサウンドの一部」という考え方もあります。(それも程度によりますが…)

そういう意味もあってか導電塗料など塗っていないギターは意外に多くあります。
ビンテージギターにはそもそも使われていませんし…
塗っていないから安もののギターだとか、シールドが無いから手を抜いてあるという事は言えないと思います。

また、一見ザグリに導電塗料が塗られていなくても、塗り潰しカラーのギターの場合実は塗料の着色層の下に導電塗料が塗られている事もあります
その場合はザグリのどこか一部に下の層の導電塗料が露出してそこにラグなどで繋げてあるはずです。
塗料の中の導電塗料
↑ピンボケで非常に判りにくいですが…。
赤い丸の中にカラーリングと違い黒い色をした部分が露出しています。
ここは着色層より下の部分です。
導電塗料が露出した部分からラグで繋いであるのが見えると思います。
この場合、みえている部分だけでなく見えない部分にもシールドとしての導電塗料が広がっている事になります。

なのでこの黒い塗料を「何だこの半端な塗料は?」と言ってこすったり剥がそうとしないでください。

シールドの話まだちょこっと続く
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